泣けたり燃えたり大変だ

・映画にすると尺がピッタリ
　こないだ見たFateは短すぎたし...でもこっちは最初っから映画向けだったんでないのか、ってくらいに2時間強を実に巧いこと使ってて満足感高し。配分が上手とゆーか、TV版からカットしただけでなく、映画版で追加された部分がすんげー効果的。

・バトルうめぇｗ
　全編新作書き下ろし、とゆー情熱の大半が空中戦に費やされてたんじゃないかしら、ってくらいグリグリ動きまくり。シネスコじゃなくて16:9だと思うけど、横幅の広い画面を幅いっぱいに使った空中戦は「おまいらモビルスーツか」と突っ込みを入れたくなるほどで。まあガンダムは高速空中格闘戦なんぞせんけども。OO？種？あれは別。

・フェイト男前
　これはTV版からもそうだったけど...続けて見ると最後の場面が、ねえ。

・新コスかっけーです
　といってもぱっと見で分かるのって、なのはの袖のとこくらい。とはいえそれが効果的なのも事実。うん。

・映画版追加要素
　実はここいらが結構重要で...。
　A'sでフェイトが闇の書に囚われた時に見ていた夢に出ていた、「リニス」というキャラの出自が明らかにされたこと、ってか最初は設定されてたんだけど長さの関係でカットされてたんかな。
　それと、プレセアとアリシアの過去を結構きっちり描いていたのが好印象、というのも、フェイトが虐待を受けても頑なに母親を「喜ばせてあげたい」と願うことの説得力が大幅に増すから。
　「想いを伝える」ってのがこのシリーズのテーマだ、みたいなことをどっかで読んだことがありますが、フェイトとなのはのどちらもそれを徹そうとしていて、その対比がというかバランスがようやくとれた感じがするんですよね、この劇場版の構成だと。TV版はどちらかといえばなのはの一方通行だったとゆーか、フェイトの方は結局伝えられなかった...みたいな感じがしてしまうけれど、今度のだと「もしかして伝わったのかも」と少し救われたよーな感じがします。

　ちょいと真面目に余談。
　描写としてフェイトが母親に鞭打たれるシーンとか、結構エグいシーンがありまして、普通にこの作品て海外展開出来ないんじゃなかろーかと思うんですけど実際どうなんでしょ。MW2の空港テロステージでも、あんだけ酷い絵でありながら子供だけは絶対出してなかったし。
　また、やっぱり「子供が戦う」って話に嫌悪を抱く人は少なからずいるだろうし、日本のマンガやアニメーションが海外で受け居られつつあってさえも、こーいう話ってのはそれだけで拒絶されやすいんじゃないのですかね。
　勿論「子供が戦う」ことを目的にした話でもないし、子供でなければ成立しないテーマ、というか子供であればこそ伝わるものもあるんで、フェイトの身の上の話で「児童虐待」を持ってきたことは否定しません。つーかむしろその酷さを絶対に否定する内容ではあるし。
　だから、形の上、表現手法だけで判断の上で何もかも否定するというのは、物語り、という面に関して言えば著しく可能性を狭める愚行だと思うんですがね。

　...とここまで書いて思い出したけど、マッパの変身シーンがある時点でダメだろうなあ（苦笑

・燃えどころを外してない
　監督が違うらしいです、けど終盤のフェイトが自分を取り戻して立ち上がる場面からの一連の流れはほぼTV版のまんま、というよりTV版の時点でまあ実に良かったんだし。
　合流してからなのはが「うん！うん！」と力強く頷くシーンなんざ、「良かったねえ...」とほとんどお父さんのような心境だ（？
　あ、お父さんで思い出したけど高町家の面々があんま出てこなかったのは個人的に残念。高町なのはを外部から表現するには必須だろうし、なのは自身の孤独とか幼い頃の自分とフェイトを重ねてみる流れとか、ちょこーっと画竜点睛を欠いた感が無くもない。あと、やっぱこのシリーズって自分にとってはとらいあんぐるハートのスピンアウトなんだよなー、結局。もう知名度じゃ親をはるかに超えてしまってるけどｗ


　映画版の追加要素で触れたことの捕捉になりますが、やっぱ削ったり足したりで話としての完成度が格段に上がってるよーに思います。
　何よりも、これが初見でも理解出来るのが大きい。同時期公開のハルヒは、まあ初めて見る人でも見れないことはないくらい（らしい）、Fateはその点じゃ話にならない、というのを踏まえると、春休みのアニメーション映画としては「アリ」なのかもしれませんやねえ。プOキュアと間違えた親子が入ってしまうとか（無い無い